パニック障害と鍼灸

パニック障害の流行

最近、パニック障害で悩まれている方が激増しております。
自律神経失調症 不安
2019年3月2日、日本テレビ系の人気番組、世界一受けたい授業、と言う番組でパニック障害の特集を放送していました。芸能界で華やかに活躍中のタレントも多数、悩まれています。

なんと100人中2-3人が罹るそうです。当院でも最近何とかしてほしい、とパニック障害で御来院になる方が増えています。

パニック発作と芸能人

パニック障害に罹り、悩まれたことがあるタレントさんを見て、驚きました。とても健康的なイメージの大場久美子さん、釈由美子さん、安西ひろこさん、などです。その他、とても明るいイメージのある  漫才中川家のお兄ちゃん、美容家のIKKOさん、歌手ですがお笑いで活躍中の円広志さんまでが悩まれたそうで驚きました。
自律神経失調症 動悸
症状は人混みとか電車の中、狭い場所などで、めまい、激しい動悸、震えや吐き気などで日常生活が大きく制限されます。こういったパニック発作の他に、予期不安や広場恐怖が特徴とされているそうです。原因は脳の誤作動とされています。

パニック障害の原因

パニック障害の原因については色んな意見が有り、定まっていないようですが、私が最も納得できる説はスウェーデンの精神科医師、アンデシュ・ハンセンさんの説です(ベストセラーの本、スマホ脳、の著者)

それは脳の中にある、警報機、扁桃体の過敏反応、という説です。昔、人類が狩りで生活していたころ、ライオンなどの肉食動物に出くわしたり、他の部族に襲われたり、しばしば生命の危険にさらされていました。こんな時に働くのが警報機である扁桃体です。アドレナリンをだし心臓をフル稼働させ、逃避か戦闘モードにしてくれるのです。その症状はパニック発作の時と一致します。

平和で飽食の現代になっても体はそのころとほとんど変わっていません。だからパニック障害になる方は、昔同様の優秀な警報機の持ち主なのです。時代が変り危険な時代に逆戻りした時には、生き延びる体質を持った優秀な体の持ち主、と言えます。

パニック障害と鍼灸

もちろん急性期には病院で然るべき検査や治療を受けるべきですが、鍼灸や整体の見地から見るとどうでしょうか?対処の方法は無いのでしょうか?

鍼灸のツボに少府、という小指の先端の親指側のツボが有ります。心経絡の一番末端のツボです。古来、ドキドキや心臓が締め付けられる、といった救急の特効穴、鍼灸ツボとされています。

パニック発作の応急処置

以前に会員だった鍼灸経絡研究会で同僚がこんなエピソードを発表していました。

seiketutumeosits.png居酒屋で知り合いと酒を飲んでいたところ、グループの1人が突然、ドキドキ、動悸がしだして、苦しみだしたそうです。パニック発作か狭心症かも知れません。救急車を呼びましたが、到着前に彼はその方の小指の先を、鍼が無かったので代わりにフォークの先で刺激したところ、発作が収まり事なきを得たそうです。

フォークが無くても自分で、反対側の母指と示指の爪の先で小指の井穴をサンドイッチ的に挟み、押しても効果があります。押したり緩めたりを数十回、繰り返して下さい。簡単な方法なので救急処置として覚えておいて損は無いと思います。

パニック障害と呼吸

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パニック発作の時に多いドキドキする過呼吸の時は、心を落ち着かせようと、深呼吸をしがちです。でも、これはパニック障害の専門医、磯部医師によると禁忌だそうです。

何故ならただでさえ、低すぎになっている血液中の二酸化炭素濃度が、深呼吸により更に低下するので過呼吸が悪化する。息を止めて10数え、リラックス、と自分に言い聞かせるのがベストの対処法だそうです。

▼治療例については、以下ページよりご覧下さい▼

パニック障害と自律神経