不眠症について

不眠症が増えている?

ストレス社会のせいか、ライフスタイルが変わったせいか、不眠症でお悩みの方が増えています。当院でも腰痛や肩こりが主訴で来院される方の中で、随伴症状として不眠症を訴える方がとても多いです。痛みやコリで眠れない、というより寝つきが悪い、何度も夜に目が覚める、夜中に目が覚めるとそれ以降は眠れない、など色々です。

眠れないとどうなるのか?

まず、夜中に眠れなく、布団の中で悶々、とするのは大変辛く、日中の生活レベルも低下します。面白いデータが有ります。人間以外の動物でも睡眠は必要で、しかも人間と同じくレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返します。実験で強制的に眠れないようにすると、人間と同様、頭や体の日中のパフォーマンスが落ちるそうです。(レム睡眠とは寝ていても脳は活発に活動している睡眠、ノンレム睡眠とは脳も体も休んでいる深い睡眠です。寝ている間、これを交互に繰り返します。)

年齢と不眠症

若いころはすぐに眠れたのに、年齢を重ねると不眠傾向になってきます。そもそも年齢を重ねると、必要な睡眠時間は自然に減少してくるそうです。なんと動物でも同じように、年取ると睡眠時間は減ってくるので、生物に共通、たぶん成長と関係ありそうです。

年齢15才25才55才65才75才
眠れる時間12時間9時間6時間5時間4時間半
平均的なベッド上の時間5~6時間5~6時間6時間7~8時間7~8時間

高齢になると昼間の活動量が落ち、しかも時間的余裕があるので、ベッドにいる時間は長く、睡眠の質は当然、落ちてきます。

中高年は7時間以上寝てはいけない

一般的によく眠る人のほうが長生きする、と思われがちですが睡眠時間と10年後の死亡率は逆になっています。(北海道大学院の玉腰教授のデータ)

10年後最も長生きするのは

① 7時間睡眠 

② 長命率やや落ちるが5-7時間睡眠

③ 8→9→10時間と睡眠時間が増えると長命率ダウン、死亡率アップ

④ 4時間以下の睡眠は死亡率大幅にアップ

だから、歳を重ねると睡眠時間が減るのは生理現象で、心配なさそうです。逆にあまり長時間ベッドの上にいると、眠れなくて当たり前。だから睡眠の質を上げることに着目した方がよさそうです。

不眠症対策、眠る前

①昼間はしっかり活動、夕方以降はリラックスが基本、自律神経のうち交感神経を働かすために,朝決まった時間におきて、日中は日の光を浴び体を使う。昼寝は午後3時までに短時間で済ます。

②夕方以降は興奮することを避けリラックスする。自律神経のうち副交感神経を活発にする。その為にスマホやパソコンは夕方以降避け、テレビも興奮するサスペンスやホラーは避ける。お風呂は眠る1時間半前がベスト。温度はぬるめ。

③.強い光は覚醒効果が高い。目に強い光を入れないために、照明は暗めがおススメ。蛍光灯よりオレンジ色の白熱灯や、暗めの間接照明が眠りを誘います。ベッドの上でのスマホ最悪です。

不眠症対策、夜目覚めた時

呼吸法が一番便利。続けていくと知らぬ間に眠りに落ちていく方法。

①ゆっくり、お腹を膨らます複式呼吸をする。吸気:呼気を1:2にするため吸気で1から4を数え、呼気で1から8を数える。

②リズミカルな呼吸になってきたら、心の中で次の言葉を唱える、呼気で「有難うございます」 吸気で「感謝します」この間、自分の望む未来をイメージ出来たらもっと良い。DRT整体式願望実現法にもなる。

不眠症対策 鍼灸ツボ 昼間編

足の裏、踵に 失眠、という鍼灸ツボが有ります。夕方以前にすえるお灸がベスト。寝る直前は、熱すぎるとかえって目がさえてNG.かわりに、布団の中では電気アンカに踵を当てる方法で代用。

頭のてっぺんに百会という神経をリラックスさせる鍼灸ツボが有ります。ココを押す。

また耳には多くの鍼灸ツボがあるので、耳たぶを引っ張ったり、餃子を作るときのように、つまんでパッと離す。ただし、夜目が覚めた時は体を動かすとかえって興奮するので、眠る1時間以上前がおススメ。夜中に目がさめてしまったときは上記の呼吸法がベスト。

ゆっくり呼吸を繰り返すと自然に副交感神経が活発に成ってきます。

不眠症対策 鍼灸ツボ 眠る前編

首の上部後方、頭蓋骨の下,髪の生え際に 風池、というツボが有ります。この鍼灸ツボは自律神経の副交感神経が出る場所なので、温めると良い。また上部胸椎の中央 第2-3番目あたりに身柱、昔でいうチリケ、というと鍼灸ツボが有ります。このツボも古来より精神疾患に多用されてきた鍼灸ツボで、リラックス効果が高い。

この2つの鍼灸ツボを蒸しタオルで眠る前に温めると良いです。美容院や理容院で蒸しタオルで温めてもらうと、誰でも気持ち良くなり寝てしまいますね。タオルを温めるのが煩わしい時は、レンジでチンするホットパックで代用しても良い。安価で売ってます。