プチうつの人への名作、夜と霧
うつ病の治療法、認知行動療法
価値観が気持ちを決める
誰もが日常生活のストレス、対人関係などで気持ちが落ち込み、プチうつになったり、会社などでどうしようもない環境におかれ、本当のうつ病になることもあります。こんな時、病院の精神科では認知行動療法が薦められることがあります。
平たく言えば考え方、価値観を変え、行動を変えることです。例えばコップに半分、水が残っているとき、もう半分しかない、と考えるか、まだ半分残っている、と考えるかはその人の価値観です。
でもそれにより、行動が正反対になることもあります。残り半分なので少し我慢しよう、半分も残っているので、まだまだたくさん飲める。
世界のベストセラー10に入っている名著、夜と霧
アウシュビッツを生き延びて
「夜と霧」とは世界のすべての本の中でベストテンに入る世界的名著です。作者はフランクル、奇跡的に強制収容所アウシュビッツを生き延びたユダヤ人の精神科の医師です。考えうる最悪の極限状態の中を生き延びた人です。
収容所で僅かな食事を与えられ過酷な作業をさせられる、そして周りの人が毎日、一人一人、ガス室で処刑されたり人体実験に使われたりして殺されていく。
希望と目的があなたを救う
いつ死んでもおかしくない、自暴自棄になり自ら命を絶ってもおかしくない。その、多くの人が殺されたり、衰弱死したり自死したりする中で生き延びた人がいました。
その地獄を生き延びた人は身体が頑強な人でなく、わずかに残っている自分の人生に可能性を見出した人、目的意識を持った人達でした。つまり、何かが待っている、誰かが待っている、と信じられた人のみが生き延びることができました。
生きる目的と、妻との幸せな想い出が彼が生き延ばさせました
フランクルは収容所を出たら精神科向けの専門書を出版すること、そして妻と暮らした短い幸せの日々の記憶を糧に生き延びることができました。
彼は新婚間もないころに夫婦ともにナチスにとらえられ、収容所送りになりました。だから夫婦生活は大変、短かったのですがその幸せな短い時を何度も思い出して、苦しみに耐えました。
そして、看守の目を盗んで手に入れた鉛筆と紙で、看守のいない時に精神科向けの医学書をかき出しました。もちろん、見つかれば即、ガス室ですので隠し通しました。
彼は生き延びることができました、彼より屈強な人が精神を病んで自殺したり、病気になり無くなりましたが、彼は生き延びました。「収容所を出たら、本を出版する、という使命が私を待っている」と信じることによって。
あまり考え込まず、一つ一つの事に一生懸命に対処して生きること
貴方にも待っている事はありませんか、待っている人はありませんか。
万が一、思い当たらなかったら自分で作ることもできます。笑顔で周りの人を幸せにさせる(破顔施)、道のごみを拾う、席を譲る、プチボランティア活動をする、などなど。
考えたらいっぱいあります。それが巡り巡って自分を救います。そして彼いわく、幸福の秘訣は、あまり自分の心の奥底を覗き込まず、直面する様々な人生の問いに全力で答えていくこと、だそうです。
あまり考え込まず、一つ一つの事に一生懸命に対処して生きることだそうです。何かがあなたを待っている、誰かがあなたを待っている。
私自身も鍼灸をもっと広め、鍼灸で皆様に喜んで頂くのが生きがいになっています。同級生がみなリタイアしている年になっても、現役で皆様のお役に立てていることに喜びを感じています。
あるがままに生きる
森田療法の考え方、仏教的諦観
悩んでいるとき、気が落ち込んでいるときは狭い世界に閉じ込められて、視野が狭くなり、ご自身の周りしか見えていない事がほとんどです。こんな時、日本独自の精神療法、森田療法の考え方が役に立ちます。
森田療法とは100年ほど前に、東大の精神科、森田正馬医師により考え出された精神、神経療法です。考え方は、一言でいえば、悩んでいるとき、「考え込まずに物事を、まず、あるがまま、そのままに受け止める」ということ。仏教の諦観、良い意味での諦めの気持ち、とも合致します。
そして自分が宇宙の一部であり、自分と宇宙が一体であることを知ること。
「どんな、小さなものでも見つめていると宇宙につながっている。」
「生まれたところだけがふるさとではなく、死んでいくところもふるさと。宇宙をふるさとにすれば一緒のところになります。」
詩人 まどみちお