当院の鍼灸の特徴
鍼灸は京都市でも稀少な脈診による経絡治療です
当院の鍼灸は経絡治療、といってかなり特殊です。巷で行われている鍼灸は多くが局所中心の鍼灸です、例えば肩こりには凝っている肩に針したり、その上から電気を流したりします。凝っている肩が病気の原因と考えます。
でも当院の鍼灸は考え方も治療方法もかなり違います、当院では経絡の流れを正常化することに重きを置く鍼灸です。その為、脈やお腹を拝見させていただきます。まず、経絡の異常が起こり、その後局所の病気が発生すると考えます。その診断のために脈を診たり、お腹を診ることが必要なのです。
現代では脈やおなかを見て経絡を正常化する鍼灸院が少ないので、このやり方は特殊と思われがちですが、実は昔、数千年前はオーソドックスでした。素問や霊枢という古典に書かれている鍼灸は実はこのスタイルです。脈を診る技が難しいのでできる鍼灸院が少なく少数派になっているだけなのです。
経絡とは何か
経絡とは体の中を流れている生命エネルギー、気の通り道で主な流れは12本有ります。バイパスが2本あるので、全部で合わせて14本あります。人体の生命活動は各々の経絡により分担しコントロールされています。
例えば肝臓の働きは肝経絡が受け持ち、胃の働きは胃経絡が受け持ちます。
そして14本がお互いにどれかが強くなりすぎないように、弱くなりすぎないように監視しあっています。
バランスが保たれているときは健康です。何かの原因でそのバランスが乱れた時が病気です。
3000年以上前からある「経絡」
経路は3000年以上前から認められてきました。
認めないと人体生理や病気が説明出来ないのです。人間は物質、肉の塊では有りません。物質の側面とエネルギー、気の側面、両面的存在です。
それはアインシュタインの公式、E=mc2 や現代量子力学の原子の考え方と一致します。
人体も究極的には原子、量子の塊です。経絡の存在はベテランの施術家や医師なら誰でも認めるところです。
鍼灸経絡治療はあまり聞き慣れない・・という言葉はもよく耳にします
鍼灸学校では学生時代に皆、学ぶのですが、難しいのでなかなかマスターできません。そもそも教えることができる先生もごく少数です。
かといって経絡治療が鍼灸の世界で、亜流、とはいえず、むしろ東洋医学的考え方ではむしろ本流です。
以前、大人気になったNHKの海外ドラマ、チャングムの誓い、が有りました。このドラマに韓国の王朝の鍼灸医療が出てきましたね。度々脈を診て鍼灸するシーンが出てきました。
その他にも中国鍼灸、チベット鍼灸の様子がたまにテレビで取り上がられますが、必ず脈を診ています。
脈診はやり方が難しいので多くの鍼灸師が道半ばでドロップアウトするので少数派になっているだけなのです。
ちなみに以前鍼灸研究会で後進の指導を5年間していましたが残念ながら、マスターするまで残るのは鍼灸師10-20人に1人位でした。
他の鍼灸との違い
主な特徴をリストにしました。
局所鍼灸 | 経絡治療の鍼灸 | |
病気の原因 | コリ、局所の疲労 | 経絡の流れが悪くなっている |
目標 | 局所のコリ、トリガーポイントを取る | まず、経絡を正常化する |
診断法 | コリを触る、動きを診る | 脈や局所を診て総合的に判断 |
治療法 | 局所に鍼灸 | 経絡に気を流し、その後に局所に鍼灸 |
刺激量 | コリを取るため強い刺激 | 軽い刺激で十分 |
刺鍼時 | ビクッとくる、痛いこともある | 無痛かソフトで心地よい |
適応 | 痛みやコリなどの運動痛 | 痛み、コリ+内科疾患 |
マスターするまで | 比較的短期 | 十数年かかる |
痛みや凝り以外にも不定愁訴や内科疾患にも効果があります
局所鍼灸は主に痛みやコリが治療対象ですが、鍼灸経絡治療は自然治癒力を高めるので、痛みやコリはもちろん、そのほかに内科疾患や不定愁訴にも効果的です。
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