家庭でできる鍼灸ツボ養生法
「若返りたい、少しでも老化を遅らせたい、呆けたくない!」若返る方法
最近、アンチエイジングといって、如何にしていつまでも若さを保つか、健やかな老後を過ごせるようになるか、若く見られるようにはどうしたらよいか、など。
人誰しも持つ願望の科学的研究が進んで、一般の人にもその知識が行き渡りつつあります。
ちなみに私も同窓会などに行くと大抵、同級生より若くみられます。それはもともと虚弱な体質だったのですが。。。。それは毎日自分に鍼灸したり、自己整体したり、その他のアンチエイジングの生活を意識的、無意識的に実践してきた御蔭だと思っています。
そして、アメリカの研究によると外見的な若さと、実際の体の若さは一致するそうです。
1.筋肉をつける
毎日のウォーキング、ジョギング、筋トレなど、少しでよいから週3回以上続ける
2.体温を高める
最近、低体温症の方が増えています。体温が低いと免疫が落ちて病気が治りにくく、脳の血流も減るのでボケや脳卒中の一因にもなります。そのためには、まず脂肪ではなく、筋肉をつける、毎日汗をかく、太陽に適度に当たる、毎日入浴する、飲み物はホットで、などなど。
3,鍼灸による体温アップ
鍼灸のツボ療法も体温アップに効果的。足の内側は陰経絡といって、内臓につながる鍼灸の気の流れがあります。代表的な鍼灸ツボは太渓というツボまたは女性であれば有名な三陰交、と言うというツボです。どちらも足の内側カカトの上方に有り、足を温めエネルギーに関係する鍼灸ツボです。
4.栄養に気をつける
たんぱく質や野菜、ミネラルなど巷で言われているとおりです。そして良く噛んで食べてください。また、足りない分はサプリメントで補います。
私が取っているのは、乳酸菌、ビタミン、ニンニク剤、コエンザイムQ10などです。
また、水分も必要ですが気をつけるのは冷たい物は不可です。胃腸に負担をかけ、体を冷やします。プロ野球の巨人軍、王貞治氏は必ず野球場に魔法瓶に入れたホットドリンクを持っていったそうです。
他の選手が冷たい物をどんどん飲んでいるのに。彼は冷たいドリンクの害を良く知っていたのです。
5,顔面に対する鍼灸のツボの活用
鍼灸のツボを自分で指圧、または千年灸などの温灸をすると、顔や脳に血液を巡らせ、若返りの助けになります。ツボは有名な 合谷、と言う鍼灸のツボです。親指と人差し指の間に有り、以前は鍼痲酔にもつかわれた痛みにも効果がある万能ツボです。
やり方、親指と人差し指を開き指の股、2つの骨の合わさるところの直後にツボを取り、他方の拇指、示指のつめの先で挟み何回も指圧する、または温灸を3-5回する。
眠れない時
日常の以下のような環境は眠りを浅くする効果があります。
- コーヒーや緑茶などのカフェイン入りの飲み物
- 眠りを浅くするアルコール
- 脳を疲れさせてしまう小説やテレビ
- 寝る直前のお風呂また熱いお風呂
- 布団やベッド上でスマホをする
体がリラックスするよう、入浴はぬるめのお湯に長めに入るのがオススメ。
そして、昼間はできるだけ日光を浴びましょう。
それでも眠れないときにオススメ「呼吸法」
両手足は四方に広げるように、楽な姿勢で仰向けで横になり、お腹が上下する腹式呼吸を吸う息よりも吐く息を長くするようゆっくり、ゆっくり大きく呼吸します。
そして、「気持ちが落ち着いている」と心の中でゆっくり何度も繰り返します。
次に、意識を右腕にうつし、「気持ちが落ち着いている、、、右腕が重たい、、、右腕が重たい、、、右腕がとても重たい、、、気持ちが落ち着いている、、、右腕が重たい」こんな感じで何度も何度も繰り返していきます。
なんとなく重い感じがしてきたら、今度は「左腕が重たい」、次は「両腕が重たい」に変え、右腕と同じことの繰り返しいき、足も同じようにやっていきます。
一通りおわりましたら、次に「重たい」を「温かい」に変えて同じことを繰り返します。
これを何回も繰り返していくと、段々と気持ちが落ち着いてきます。
そして知らないうちに眠りについています、ちなみに鍼灸では腎経絡と肺経絡が特に呼吸と関係し、これらが正常だと呼吸が楽です。
失眠という不眠症の鍼灸特効穴が効果的、お灸療法
やり方
足の裏のかかとのど真ん中には失眠穴という鍼灸ツボがあり、ここに、米粒大のもぐさを使って熱く感じるまでお灸をします。
正常な人はすぐ熱くなります。
しかし、不眠の人はなかなか、熱さを感じられません。
以前、このお灸療法を行った方で、40回ほど行ってもなにも感じない人がおられました。
また、百会、という頭のてっぺんにある鍼灸ツボを
は、興奮を抑えリラックス効果があります。このツボを自分のゲンコツでリズミカルに押してみて下さい。ただ、真夜中に目が覚めて再度寝にくい時は、自分で手を動かすと、かえって交感神経が働いて寝にくくなることが有ります。
自己指圧は布団に入る1-2時間前か、それ以前がおススメです。
不安で気分が落ち込んだ時
現代社会はストレスに満ちています.ストレスを避けられない世の中です。
誰しもがうつ状態になり得ます.気分がふさぎ込んでしまった時,どうしたらよいでしょうか。
以前,スェーデン政府がうつ症状に対して色々な治療法を比べたことがあったのですが、運動に勝るものはなかったそうです気持ちが落ち込んでいるときは,運動なんてする気もおこらないものですが,心に鞭をうって運動すると,心身一如,必ずや気分も変わってきます。
それは脳科学でも証明されています。運動すると、脳の運動をつかさどる部分が興奮するので不安とか悩みをつかさどる脳の部分の興奮が収まるのです。(やり方)有酸素運動,いわゆるエアロビック運動です.ハアーハアーと呼吸数が上がり,発汗する程度の30分以上の運動を週に5回を目安にしてください.ランニング、速歩,水泳、なわとび、エアロビクス,サイクリングなど。
上記の呼吸法も不眠のみならず,不安にも効果的です。
眠れない方は,就寝前にやってみてください。
考え方を変えるために,「デール カーネギー著 道は開ける 創元社」という本をぜひ読んでみてください。証券会社勤務の知人が、バブル崩壊後にうつ病になったときにこの本をプレゼントして大変,喜ばれました。
また、東洋的諦観を神経症治療に取り入れた、森田療法の考え方も大変有効です。多くの書籍が出ていますので、読んでみて下さい。
鍼灸治療も気の調整することにより,気持ちまでも改善できます。鍼灸経絡は体のみならず心もコントロールしているのです。
このことは,2千年以上も前に著された中国の鍼灸の古典にも書かれています.そして、鍼灸治療してみると実際、効果があります。
風邪を引いて,なかなか治らない時
たいてい背中が冷えています。
ここを温めることにより,免疫機能が高まります。
以下のやり方はインフルエンザや高熱,極端に体がしんどい時は不可ですが、慢性の風邪,風邪の引き始めには効果が期待できます。
やり方
使い捨てカイロを一つ、首の付け根から,肩甲骨間に貼ります。
腰骨から上に向かって,もう一つ貼ります。肌着の上からだともう一つ効果が薄いので,皮膚に直接貼るほうが良いようです。
ただし,皮膚の弱い方は低温やけどに気をつけてください.また,寝るときにやるのは厳禁です。たいてい、やけどします。少し、手間がかかりますが,熱輻射式のストーブを同じ部位に当てると,もっと効果的です。
汗が出ますのでよく拭いてください.ちなみに,ファンヒーター式は不可です.
腰が痛い時
腰が痛い時急性期はやはり、安静第一です。
仰向けか、横向きで寝ていてください.普段あまり腰が弱くない人なら、2-3日、安静にしているだけで、痛みは治まってくるものです.その後、軽い柔軟体操をしたりとか、散歩をしたりとかして筋肉を動かすようにしていくと、だんだん良くなっていくものです。
でも長期の安静は逆に筋肉の弱化を招きますので、長い目で見たら逆効果、歩いたり、体操したりなど軽い運動をしたほうが良いです。
ただ、普段から腰をよく痛める方や、安静に出来ない方はもう少し厄介です。まず、ファーストチョイスとしておススメは腰腿点、という鍼灸ツボです。この鍼灸ツボは手の甲の2-3指間、3-4指間にあります。
左右4つある中で、一番押して痛い点が最もよく効くツボです。この鍼灸ツボを反対の手の拇指の爪で押しながら少しずつ、腰を動かしてみてください。動ける範囲が増えると治りも早いです。
やはり、鍼灸治療に勝るものはありません。そして、急性期が過ぎたら、腰の筋肉を鍛えるようにしてください。私自身も、勤務から自宅開業に変わった後、通勤時間がゼロになったので、運動不足から、腰痛になりました.それ以降、毎朝、ジョギングして、休みの日には登山やハイキングに行くようにしています.それ以降、腰の調子はよいようです。
世界中の健康法を調べた方がいます。
食べ物は、あれがよいとか、悪いとか、各地でばらばらでしたが、共通項が3つありました.心のもち方と、呼吸と、適度な運動(やりすぎは逆効果)です。その意味でも、不安解消のところに書いてある運動療法は効果的です.
膝が痛い時
よく、膝に水がたまって腫れて痛い、と言う方が来院されます。
なぜ、水がたまるのでしょうか。人体は世界最高のコンピューターよりはるかに精巧です。無駄なことをするはずがありません。
水(関節液)とは、いわば車のエンジンオイルみたいな物で関節がうまく働くためには必要不可欠な物なのです。
だから健康な関節には、少量の関節液が必ず存在します。ところが無理がかかると、炎症が起こり熱を持ってきます。
それを修復する過程で体は関節液を増やしてくるのです。いわば消火剤のような物で、悪者ではないのです。炎症のひどさを知るバロメーターと思ってください。だから、炎症が起こった原因をそのままにして水だけ抜いても、長い目で見たら決して良いことではないのです。
膝の悪い人のパターンはだいたい、決まっています。中年以降の筋力のない、肥満気味の人です。女性に多いのも、男性と比べて筋力がないせいでしょうか。
では、対策としてどうしたらよいのでしょうか。上記のパターンの逆をいったら良いのです年齢はどうしようもないですから、
- 体重を減らす
- 膝にかかる圧力を減らすため、正座、階段の昇り降り、しゃがみこみを避ける
- 太ももの筋肉を鍛える、その為には、普段から車を利用せず歩くように心がける ※ 下の図のような体操をする
1.仰向けに寝て、膝をまっすぐ伸ばし膝の後面を床に押し付けるように力を入れる。同時に太ももの筋肉に力を入れ、膝蓋骨(お皿の骨)を上に引き上げる。力を入れたままゆっくり5つ数えてから、力を抜く。これを10回繰り返す。
2.仰向けに寝て、膝を伸ばしたまま、足を約10度上げる。そのままゆっくり5つ数えてからおろす。これを10回繰り返す。
3.横向けに寝て、股関節を少し曲げ、股を開くように足を上げる。このまま5つ数えてから下ろす。これを10回繰り返す。
また、鍼灸治療ではお灸療法が効果的ですが、炎症を起して熱を持っている関節に直接すえるのは危険です。逆に炎症が強くなることがあります。
遠隔にある鍼灸ツボや、炎症を外して、その周囲にすえねばならず、専門の鍼灸師にツボをとってもらったほうが無難です。
肩がこる時、頭が重い時
肩こりや頭痛の方が多数、来院されます。老若、男女、職業、様々ですが共通点があります。
皆さん、姿勢が悪い、猫背なのです。
頭はボーリングの玉のように重く、常に前方に落ちようとしています。
それを後に引こうと、肩や首の筋肉には常に負担がかかっていますが、姿勢が悪いと落ちようとする力が増して、より疲労しやすいのです。
だから対策として、胸を張って背筋を伸ばし、アゴをひいて頭を首の骨の真上に乗せるようイメージしてください。
日本人に肩こりが多いのはもともと農耕民族で、前かがみが多かったせいかもしれません。
ちなみに、狩猟民族である欧米人は姿勢が良く、肩こりに該当する英語がないくらいです。とにかく、仕事や家事のときに同じ格好を長時間しないこと、時々ストレッチをするのが大事です。
鍼灸ツボではまず上記の合谷を試してみて下さい。合谷は上半身の病、全てに効果ある万能鍼灸ツボです。
小児がむずかる、育てにくい
子供が夜鳴きしたり、よく病気になったりするとお母さんは大変、お父さんはウロウロ。
子育てって、やってみるとバトルのようなものですね。うちも長男が赤ちゃんのころカンが高く1時間おきに夜鳴きして大変でした。そのころはまだ鍼灸学校の学生で小児針を知らなかったし、ただ夫婦交代で抱いてあやし、寝かしつけました。将来どんな神経質な大人になるか、と心配もしたものですが、今はかえって親がじりじりする位のおっとりしすぎな社会人になり、わからないものです。
大阪では昔、こういった小児神経症に対して、小児針という、子供の体を金属でこする鍼灸治療法が大変盛んでした。
子供の体は大変、敏感ですので、ちょっとなぜたり、さすったりするだけで驚くほどの回復をみせます.愛あるおかーさんの手でなぜるのも良いですが、スプーンでこするのも効果的です。金属は肌の表面電気を変えるので、特に興奮しているときに良いです。
当院へも、こじれた風邪やアトピーなどの子が来院され、喜ばれています。徳島の鍼灸師会が中心になって、これを復興させ自宅でも出来るようにしよう、と画期的な運動を始めています。簡単な病気ならお母さんでもできますので、一度、やってみられてはどうでしょう。
心臓がバクバクする、救急のツボ
試合前で急に不安になったり、電車の中で不安に襲われ、心臓がドキドキすることが有ります。こんな時は鍼灸経絡のうち、心経絡とその兄弟である小腸経絡の末端刺激がおススメです。それは小指の先、爪の生え際外側、1ミリの場所にあります。反対側の手の母指と示指の爪の先でグーッと押してみて下さい。特に左手刺激が有効ですので逆の右手の爪の角で、リズミカルに10回位グーッと押してみて下さい。
不安を抑える鍼灸ツボ
多くの病気、不調は毎日の生活の乱れ、から起こります。鍼灸東洋医学では病気の原因を3つに分類しております。
それは、①外因、②内因、③不内外因です。
①の外因は外傷、ケガ、スポーツや家事、仕事でいつも同じ動作を繰り返すなど、物理的要因です。
②の内因は思い悩んだり、ストレスを受けたり、など心、気持ちが原因となるケースです。
外因が外界の環境からなる病因に対して内因とは感情 が基になる病因です。「内因」は「七情」に分けられ、喜・怒・思・憂・悲・恐・驚 の7種類の感情の変化を示したものです。
この7つの感情のうち思う、憂う といった考えすぎ、不安からくる症状に効果があるとされているのが 手の手掌面にある 内関 という鍼灸ツボです。
手首の手掌面のしわから上に向かって3センチど真ん中、これが内関、という鍼灸ツボです。ここを押して気分がよかったら反対の手の親指で気持ち良い程度に10-20回指圧してみてください。