自律神経失調症の隠れた原因、続きその②

- update更新日 : 2024年02月29日
folder自律神経、鍼灸、ツボ

なぜ、病気になるの?自律神経は乱れるの?

そもそもなぜ、病気になったり、自律神経失調になったりするのでしょうか?いろいろな原因が積み重なって病気は起こるものですが、多くの人が案外気が付いていない大事な要素は、人類が現代社会の環境に未だ適応しきっていない、という事実です。

人類の歴史、グレートジャーニー

人類の誕生を午前0時にすると、23時40分までは狩猟生活でした。農耕生活が始まり、人口が爆発的に増え、その後産業革命がおこり、工業化社会になったのが23時59分40秒。インターネット社会になったのが23時59分59秒です。この便利な生活を手に入れることができたのは、1日のうち最後の1秒弱です。

人類はつい最近まで原野を走って狩りしていました、そしてほとんどの時間飢えていました。それが動かず座ってばかりの生活、食べれるだけ食べられる生活に激変したのです。

1秒でこんな環境の激変に適応できるわけがありません。

古来から人類が持っている防御システム

人類の祖先が木から降りサバンナに立った時、本当にか弱い存在で、いつもライオンなどの他の肉食動物の餌食でした。だから身を守るために超過敏な危機管理システムを持っているわけです。その1つがHPA系(視床下部、下垂体、副腎)と呼ばれるシステムです。

これは鳥やトカゲなど脊椎動物全般にみられる防御システムです。HPA系は脳にある視床下部から下垂体に信号が行き、そこから腎臓の上にある副腎に命令が行って、危機管理ホルモンが出される仕組みです。つまりライオンを見たり、他の部族に襲われそうになると、ストレスを感じ、戦闘モード若しくは逃亡モードに入るスイッチが入るわけです。

自律神経ー交感神経過敏モード

この装置は車でいうとエンジン全開モード、短時間なら良いが長く続くと車は壊れます。人体も同様にHPA系が長く続きすぎると、つまり自律神経のうち、交感神経活性モードが続きすぎると体がおかしくなってきます。

困った事にこの装置は超過敏。ちょっとのことで反応します。草むらで,ガッサと音がしてもライオンか、と身構えます。心臓ドキドキ、目を大きく見開いて、筋肉フル活動。命を守るためにいたし方ないですね。

鍼灸や体操、呼吸などによる対処法

そして、現代人は昔のようにストレスを受けるのが短時間で終わるのではなく、持続的に長時間受け続けています。場合によったら1日中、いつもピリピリ、不安で眠れない。

このオーバーヒートしたHPA系をなだめる方法はないのでしょうか?私がおススメの東洋医学的な鍼灸ツボを使った方法、体操療法、呼吸法などをご紹介します。

以下、次号。