自律神経とストレス
ストレスと脳
ストレスとは何かの刺激が伝わったときの体が適応しようとするプロセスです。
ストレスには精神的ストレスの他に、低気圧などの環境的ストレス、薬や食べ物などの化学的ストレスもありストレスの総和がその人の許容量を超えると病気を発症します。
その中でも多いのは精神的ストレスで、家庭内のトラブル、仕事の不安、悩める生き物人間のストレスの種は尽きません。
それらは脳内の変化ですので、脳内物質も当然変化します。
脳と自律神経、交感神経
ストレスがかかると、第一段階として反応する神経がノルアドレナリン神経で交感神経、いわば戦闘モードの神経です。
緊急事態に備え心臓の鼓動を上げ、ドキドキさせ血圧を上げ覚醒モード、眠らないような体勢にさせます。
この段階でストレスに対処できれば良いのですが無理なら第2段階に入ります。
脳下垂体を通じて副腎皮質よりコルチゾール、と言うストレスホルモンが出ます。
このホルモンは高血圧、肥満、免疫の低下、糖尿病の原因になると言われています。
自覚症状とストレス
この第2段階では困ったことに脳はストレスを感じていることを自覚しません。
つまり自分では解らないうちにストレスにさらされているのです。
でも体内ではコルチゾールが出続け、自律神経や内分泌系、免疫系が悪影響を受け続けています。
自律神経を安定させるホルモン、セロトニン
この暴走した交感神経ーコルチゾールの過剰を抑制し自律神経を安定させるのがセロトニン、というホルモンです。
セロトニンは脳だけでなく、腸や肝臓、皮膚からも分泌されますが、自分の意志では出せなく、量も一定で、少ないのが難点です。
セロトニンを出すにはどうしたら良いのか?
3つの方法があります、これらは東邦大学医学部名誉教授の有田博士により確認されており、一般向けの著書も多数出版されていますので、興味ある方はお読み下さい。
1.リズミカルな軽い運動ーウォーキングや軽いジョギングなどです。ガムをかむ事やリズミカルな呼吸を続ける、お経を読む、なども有効です。
2、光を浴びるー紫外線が気になるならガラス越しでもOK。2500ルクス以上なら蛍光灯の光でもOK、それも1日30分程度で十分。
3,グル-ミングつまりスキンシップです。マッサージ、整体、鍼灸で他の人に触れてもらうのが最高のグルーミングです。
鍼灸とストレス解消
鍼灸経絡では腎経絡と肺経絡がストレスと関係が深いです。腎経絡は副腎を巡るので足の内側にあるツボに鍼灸すると、副腎皮質ホルモン、ステロイドが分泌されます。ステロイドはご存じのように最強の抗炎症、抗コルチゾールホルモンです。
また、肺経絡は呼吸を司るので、ここを鍼灸で調整することは自律神経安定や呼吸器の病気に欠かせません。手内側、親指側にあるので自分で指圧したり温灸をするのも効果的です。